はじめに
視聴聴覚二重障害は、「見る」と「聞く」の両方に障害のある状態で、「盲ろう」としても知られています。本障害を持つと、情報入手、コミュニケーション、移動などが極めて困難となります。特に先天性や若年性に発症した患児、患者では、教育、就労、生活に大きな問題が発生します。現在、視覚聴覚二重障害の患者は少なく、全国に点々と存在しており、原因も多様であるため、その医療はこれまで確立していませんでした。このため、平成29年度より厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業)「先天性および若年性の視覚聴覚二重障害に対する一体的診療体制に関する研究」が採択されて、本障害の原因となる難病に対する診療への取り組みが開始されました。今回、その成果の一部として「先天性および若年性の視覚聴覚二重障害の原因となる難病の診療マニュアル」の一部をオンラインで公開します。本内容は、本障害を持つ患児、患者、そのご家族と医療者に、一刻も早く必要な情報を届けるために準備したものであり、今後も随時、内容の追加、更新を継続します。執筆は、先天性および若年性の視覚聴覚二重障害の医療に経験豊富な医師、医療関係者と、患者会、家族の会、支援団体、教育機関からの多くの協力を得て進められました。ご多忙の中を多大な貢献をして頂いた協力者に心より感謝いたします。
執筆者一覧
委員長
- 松永 達雄
- (国立病院機構東京医療センター臨床研究センター聴覚・平衡覚研究部)
委員(五十音順)
- 有本 友季子
- (千葉県こども病院耳鼻咽喉科)
- 榎本 千江子
- (国立病院機構東京医療センター耳鼻咽喉科)
- 加我 君孝
- (国立病院機構東京医療センター臨床研究センター)
- 木下 彩子
- (大阪市立総合医療センター耳鼻咽喉科)
- 久保田 雅也
- (国立成育医療研究センター神経内科)
- 黒須 裕章
- (CHARGEの会)
- 後藤 美和子
- (福岡市立こども病院眼科)
- 斉藤 麻美子
- (千葉県こども病院眼科)
- 高木 明
- (静岡県立総合病院耳鼻咽喉科)
- 高野 賢一
- (札幌医科大学耳鼻咽喉科)
- 高橋 信行
- (全国盲ろう者団体連絡協議会)
- 田畑 真由美
- (CHARGEの会)
- 土橋 奈々
- (九州大学医学部耳鼻咽喉科)
- 角田 和繁
- (国立病院機構東京医療センター臨床研究センター視覚研究部)
- 仲野 敦子
- (千葉県こども病院耳鼻咽喉科)
- 仁科 幸子
- (国立成育医療研究センター眼科)
- 廣田 栄子
- (筑波大学人間総合科学研究科)
- 藤波 芳
- (国立病院機構東京医療センター臨床研究センター視覚研究部視覚生理学研究室)
- 星 祐子
- (国立特別支援教育総合研究所インクルーシブ教育システム推進センター)
- 前田 晃秀
- (東京都盲ろう者支援センター)
- 森 貞子
- (盲ろうの子とその家族の会 ふうわ)
- 森 秀夫
- (大阪市立総合医療センター眼科)
- 守本 倫子
- (国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科)
- 山澤 一樹
- (国立病院機構東京医療センター小児科・臨床遺伝センター)
- 横山 連
- (大阪市立総合医療センター小児眼科)
- 和佐野 浩一郎
- (国立病院機構東京医療センター臨床研究センター聴覚・平衡覚研究部)
最新のお知らせ
- 2020/06/04
「視覚聴覚二重障害を伴う難病の全国レジストリ研究のご案内」を公開いたしました。