患者会(小児)
患者会とは、どのような会なのでしょうか。文字通りに受けとめれば、「患者」の「会」となります。同じ病気や障害を持った患者さんや、そうした体験を持っていた方々が自主的に集まっている会、とも整理できると思います。
ではなぜ、集まって活動しているのでしょうか。同じ病気を経験した当事者だからこそ分かり合える悩みや苦しみ、不安を気兼ねなく共有したり、役立つ情報を交換しあえたりすることで、病気や障害とともに暮らしやすくなる。そういうメリットがあります。
一方で、同じ疾患名だからこそ、自分の症状と他者を比べてしまって気持ちがつらくなる、そうした声も聞くことがあります。自主的な集まりだからこそ、活動の仕方、関わり方なども会によってさまざまです。患者さんご自身が、無理のない形で参加されるのが一番だと思います。
また、今の時代、医師から示された診断名や患者さん自身が自分にあてはまる症状をキーワードにして、インターネットで検索すると、多くの情報が目の前に広がります。
その中には、患者会や患者さんを支える活動の模様、患者さん自身の体験談や治療法など、さまざまな情報がありますが、それが自分にとって本当に利用すべき情報なのかどうか、その真偽を見抜くことは困難です。そうした時、患者会は当事者として活動を重ねてきた経験から、助言することができるかもしれません。
患者会に関係する社会制度と窓口
病気や障害とともに暮らす人々にとって、社会の中に支える仕組みがどのようにあるのかは重要です。国は、病気や障害の有無にかかわらず、国民誰もがお互いに人格と個性を尊重し、支え合って共生する社会を目指しています。
内閣府が国全体の施策の方向性を定め、厚生労働省が難病対策、障害者福祉、文部科学省が教育政策、というように、それぞれの役所が役割を分担しながら、取り組んでいます。
患者会の活動も、国や都道府県などの自治体の取り組みに対して、意見を言ったり、ヒアリングを受けたりするなどの方法で、患者、患者を支えている方々の問題意識を反映させています。詳細は、以下のwebsiteをご覧ください。
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内閣府 共生社会政策 障害者施策
新しい難病対策が進み、難病に指定される疾病が大きく広がるとともに、こどもを対象にした小児慢性特定疾病も拡大し、医療費の助成や支援する仕組みが変わってきました。毎年、指定が見直されるため、その変化をフォローし続けることも大変です。
患者会は、日々制度を利用する立場から、その使い勝手や改善点、足りない部分などを拾い出し、よりよい制度となるように働きかけることもできます。それぞれの制度の詳細は、以下のwebsite をご覧ください。
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難病情報センター
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小児慢性特定疾病情報センター
患者会および関係する施設、組織、団体と連絡先
患者会は、それぞれの病気や障害などによって、数多く作られていますが、非常にまれな病気の場合は、そうした会がないことも珍しくありません。
そこで、患者同士が交流したり、仲間探しをするための活動を支えたり、共通して抱える課題を見つけ、その解決のために社会へ働きかけている組織があります。
それぞれの詳細は、以下の一覧をご覧ください。
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難病のこども支援全国ネットワーク
病気や障害の相談事業、患者や親の交流活動などに取り組まれている全国組織です。
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病気や障害のある子の家族を対象とした相談活動
月~金(祝祭日を除く) 11時~15時
※遺伝カウンセリング⇒遺伝(先天異常) 特別相談日
毎月第3金曜日 14:00~17:0003-5840-5973
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認定遺伝カウンセラーによる遺伝相談
毎月第1水曜日・第3水曜日 11:00~15:00
080-8498-9488
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日本難病・疾病団体協議会
疾患や地域でそれぞれ活動している団体を中心に、全国規模で集まった団体です。国の難病対策への政策提言など、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けた活動に力を入れています。
*通常業務時間は土日・祝日を除き9:30~17:30jpa@ia2.itkeeper.ne.jp
〒170-0002 東京都豊島区巣鴨1-11-2 巣鴨陽光ハイツ604 号
03-6902-2083
03-6902-2084
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全国盲ろう者協会
視覚と聴覚の両方になんらかの障害を抱えた方々を、身体障害の等級にかかわらず「盲ろう者」として支援する、全国唯一の社会福祉法人です。
開所時間 月曜~金曜 9:00~17:30 定休日:土・日・祝祭日info@jdba.or.jp
〒162-0042 東京都新宿区早稲田町67 番地 早稲田クローバービル3 階
03-5287-1140
03-5287-1141
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盲ろうの子とその家族の会 ふうわ
目と耳の両方が不自由なこどもたち同士が集まって遊んだり、情報交換したりするために発足した会です。
fuwa_wawa@yahoo.co.jp
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CHARGEの会
目や耳、心臓などに生まれつき病気を抱えているCHARGE症候群の当事者や家族、支援する専門家が集まり、交流や情報交換、会報の作成などの活動を重ねています。
この他にも、視覚と聴覚の双方に障害がある病気は多くありますので、わからないことなどがありましたら、医師や看護師、ソーシャルワーカーなど医療・福祉の専門職にお尋ねされるか、ここでお示ししたような会にお問い合わせください。